2020年09月01日
宝仙寺の玄関前では、お線香と一緒に墓参用の樒をご用意しております。
この樒は、モクレン科の常緑樹で、春になると緑がかった黄白色の花が咲き、実も成ります。香木の一種で、葉や枝を折ると独特の香気を放ち、その実の形が蓮華に似ているところから、仏前に供えられるようになりました。
また、樒は有毒植物なので、その昔、死者や墓前に供えておくと、悪魔や動物などが死者を汚したり食べたり、その霊魂をおびやかしに近寄ったりできにくいとされており、その香気は悪霊を払い死臭を清めたりしました。
現在でも、お花の代わりとして仏前にお供えする他に、乾燥した葉や樹皮では線香や抹香が作られ、摘んできた葉はそのまま、我々僧侶の儀式などでは多岐にわたり使用され、仏教では日常なくてはならないものの一つです。
また、この樒のもう一つの特色は、水が枯れて水につけずにおくと葉は枯れても不思議と散らないので、墓参にお花と併せて使われる理由の一つでもあります。
この宝仙寺の樒ですが、お彼岸やお盆など大勢の方が墓参される前に、職員総出で二日にわたり手作業で作製いたしております。
今回は、8月のお盆に合わせ作製した作業風景をご紹介させていただきます。
お花屋さんから仕入れた樒
大きな枝を選定する作業
切り落とした枝を集め形を整える作業
ワラでしばり完成した樒の束
全て手作業で行う作製現場の風景
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