御府内八十八ヶ所第十二番札所、関東三十六不動霊場第十五番札所

宝仙寺について

2023年7月:ご挨拶

2023年07月01日

 今年も早くも半年が過ぎ、お施餓鬼とお盆の季節となりました。庭を見渡すと木々は緑が濃くなりあっという間に勢い良く伸び、ミソハギもこの時期に合わせて育ってきています。

今年は弘法大師様ご生誕1250年の年に当たります。真言宗豊山派では5月15日総本山長谷寺でお祝いの法要が厳修されました。前日は雨、当日の朝早くも雨で諦めておりましたが、なんと始まる頃には雨が上がり晴れ間も出て良い天気になりました。お大師様と長谷寺の十一面観音様のパワーのすごさを感じた法要でした。

当寺では弘法大師様ご生誕1250年の記念事業を兼ねて、新書院建設を行ってまいりましたが、檀信徒の皆様のご協力のおかげで建築は完成することができました。庭等の外構工事はまだ残っておりますが、新書院の使用は開始しております。

最近よく“リベラルアーツ”という言葉を聞きます。一般教養のことですが、これが大切だということです。専門知識は大切ですが、それだけでは十分ではなくそれ以外の無用(役に立たない)と思われる多方面の知識があってこそ専門知識が生きてくるという事です、人間形成には欠かせないということだと思います。    「無用の効用」という本に、ヴィクトル・ユゴー(詩人、小説家、政治家)が政府要人に対して行った演説の中で、科学、文学、芸術関連の特別予算の削減案に対して、経済危機が国家を痛めつけている時代こそ、知識のため若者の教育のために多くの予算を振り向けることが必要になる。肉体を養うパンといっしょに、精神を養うパンを増やしていきたいと望んでいます、というものがありました。
最近は本を読まなくなったと言われていますが、専門書などは読むがその他小説などは読まなくなったという事のようですが、仕事に直接関係ないと思われる小説なども含め私達の生活にすぐ結びつかないと思われる事も、私たちの人間形成には大切なのだと思います。
無用(役に立たない)なものは無いという事ですので、何事にも目を向ける必要があるのでしょう。

今年の夏もエルニーニョ現象で暑くなるという予想が出ております、注意して暑さを乗り越えましょう。

令和五年 七月

宝仙寺住職 富田 道生

4月

臼塚のスイレン