2023年04月01日
宝仙寺の気の早いサクラは3月12日に開き始めました。入学式の頃ではなく卒業式の頃に咲き始めてしまいました。お釈迦さまのお花祭りの頃には残念ながら桜は葉桜になっていると思いますが、いよいよ春本番になって次々にさまざまな花々が咲くようになってきます。
新型コロナウイルスは5月に5類になるのを前にして、まだ安心はできないですがずいぶん落ち着いてきた感があります。今年のお彼岸はほぼ以前に近い形で行うことが出来ましたし、ご法事の参加人数などもだんだんと以前のように戻ってきている状況だと思います。
国文学者の中西 進先生が贈り物に付ける「水引」について書いていらっしゃるのを紹介いたします。
紐を2本を絡ませると、紐はぐるぐると表になり裏になりして、一本の太紐になる。二本の紅白の紐を編んでいって最後に、吉と決めた赤い紐が表にきたら実行を決断する。反対に凶と決めた白い紐が表に来たら決行しない。結び合うものは太古以来占いに使われてきたのである。
同じように占いが発展して、願望になっていてこそ意味を持つものが、水引の包装であった。
包装の水引は、送り主が「この水引は神様に占っていただいて、吉と出た水引です。その幸運を添えて、プレゼントをさし上げます」という意味合いになる。これこそが贈り物の水引だという事です。
何気なく使っている「水引」ですが、意味が分かると贈り物に「水引」を掛ける気持ちが違ってきます。熨斗袋に入れてお金を渡すことにも渡す人の気持ちが込められていることになります。ただ紙が無駄だという事ではなく、日本の良き慣習だと思います。
新書院は今月末頃には建物がほぼ完成して、庭等の外構工事がまだ残りますが書院機能は引っ越しをする予定ですので、檀家の皆様にはもう少しでご使用いただけるようになると思います。
令和五年 四月
宝仙寺住職 富田 道生
山桜と三重塔
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