2019年10月01日
今年も台風による多くの被害が残念ながら各地で発生してしまいました。関東地方では特に千葉県においては15号により、強風による断水・停電の災害が発生し、猛暑の為大変なことになりました。復旧に何日もかかったのは色々な状況が重なったようですが、被害にあった方達は大変お気の毒です。お見舞い申し上げます。想定外の事が起こったという事ですが、想定が適切だったのでしょうか。
東京国立博物館で「奈良大和四寺のみほとけ」展が6月18日から9月23日にかけて開催されました。四寺とは 安倍文珠院・長谷寺・室生寺・岡寺です。
各寺の仏様は普段はお堂の中に安置されておりますが、博物館においては違う空間になりますのでいつもとは違って見えます。
長谷寺の仏様は、いつも観音堂でお参りしている時は高い所にいらっしゃる“難陀龍王”“雨宝童子”を近くでお参りすると、とても大きいことに気が付きました。
同じ時期に国立西洋美術館において、“松方コレクション展 ”が開催されておりました。
松方幸次郎氏が大正から昭和の初めにかけて私財で買い集めたものです。当時はまだ日本に美術館が無かったので本物の絵画を見て欲しいという気持ちから、美術館に展示する絵画等をヨーロッパで買い集めたものですが、フランスに置いてあった作品が第二次世界大戦の日本の敗戦により接収され、戦後フランス政府より返還寄贈されたものです。今回155点が展示されておりました。
その国の品格は、政治力・経済力とは別に美術などを含めた芸術・スポーツそして教育などの文化レベルが大切なのではないでしょうか。その当時その事に気づき、日本の文化レベルを上げようとした松方氏の見識の高さと先見性がうかがわれます。
令和元年 10月
宝仙寺住職 富田 道生
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