2018年07月01日
7月に入り暑い季節になりました。先月は各地で地震が起こりこれから先が心配されます。これからの夏、体調に気をつけて元気に過ごしましょう。
先月福島県の南相馬市に植樹に行ってきました。南相馬市の海側の津波で流されたところが造成されて、県で松を植樹している所の一部に植樹をしてきました。松くい虫に強い種類の黒松を等間隔に植えましたが、この松が人間の背丈まで育つのに5〜6年、ある程度の木になるまで10年から20年はかるそうです。その間にダメになる木は枯れてしまうそうです。その頃まだ私が生きていたらどうなっているか見てみたいものです。防風林や防潮林になるまでには更に時間がかかるという事です。
このような将来を見越し、更にいつ起こるかわからない災害に備えて行う事業は大変ですがいつか誰かが行っておかなければなりません。
南相馬市に行く時に初めて常磐自動車道で、福島原発の傍を通りました。放射能濃度のカウンターが道路わきに設置されており、原発に近い所では数値が“3.9”まで上がりました。帰宅困難地域では、立派な家もありましたが人はいなく畑は草が伸び放題で現在はただの荒れ地のようで、住んでいた方々はやり切れない気持ちでしょう。
原発の必要性については賛否両論が有り難しい問題ですが、一つ言えることはひとたび事故が起こった時の被害は計り知れないという事です。
小説家の塩野七生氏が原発の廃炉の為に、莫大な費用と時間と技術が必要とされている日本において、ただ税金を使うだけではなく、日本が廃炉技術の先進国になってこれから将来廃炉問題が起こることになる各国にその技術を売り込むのはどうだろうかということを書いていましたが、この窮地にその位の考えを持たないと税金だけが無駄使いされていることになります。
「転んでもただでは起きぬ」したたかさを日本政府は持ってほしいと思います。
平成30年7月
宝仙寺住職 富田 道生
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