御府内八十八ヶ所第十二番札所、関東三十六不動霊場第十五番札所

宝仙寺について

2012年10月:ご挨拶

2012年10月01日

 いつまでも暑い日が続き、季節がずれたような感じです。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、最近は当てはまらなくなってきたようです。
 今年の秋分の日は、9月22日でした。秋分の日が22日になったのは1896年以来116年ぶりだそうです。
 先日、「天地明察」という映画を観ました。数年前「天地明察」(冲方丁(うぶかたとう)著)を読んでいたので映画も観てみようと思って出かけました。
 日本は江戸時代、外国(唐)の暦を使っていましたが、少しずつ誤差が出てきました。そこで当時の天文学者安井算哲氏が観測・研究により経度の違いを発見し、日本独自の新しい暦に替えたという話です。現在では"うるう秒"まで細かくコンピュータにより計算できますが、コンピュータの無い時代に気の遠くなるような計算だったと思います。鎖国をしていた時代にこのような学問・文化が育っていたのは驚異的なことで、日本人の素晴らしさを感じます。
 今年のノーベル賞有力候補者といわれる21人の中に、日本人は"3人"も入っているそうです。
 昨今、我が国と世界の子供たちを比べた学科ごとのレベルが取り沙汰されていますが、日本国民全体のレベル(品格を含めて)は高いのですから、さらに独創性を持ったレベルの高い(情操教育等を含めて)子供を育てる教育を行っていきたいものです。
 また、寺院は「寺子屋」というように、昔から地域の教育機関の役割を果たしてきました。宝仙寺も現代においては宝仙学園を創立してその役割を担ってまいりました。
 教育に関係するものとして、子供の育成の大切さを強く感じております。

平成24年10月
住職 富田道生