2012年07月01日
今年もあっという間に1年の半分が過ぎ、お施餓鬼・お盆の季節になりました。
今年の夏の電力、特に関西地区の電力確保のため原子力発電を再開することが決定しました。我が国は、依然として目先のことだけで"とりあえず"決める癖が抜けていません。原子力発電を将来にわたってどうするのかという議論が進んでいないはずですが、どうするのでしょうか? またまた大切なことが先送りされています。
さて、5月の末に団参で総本山長谷寺と飛騨高山方面に20名程の檀信徒の皆様と行ってまいりました。旅行中は天気に恵まれ、本山では観音様の足に触れて無病息災を祈願してきました。本山は各お堂が山の中腹にありその景観は素晴らしいのですが、それだけに斜面が多く維持は大変で、防災工事が継続して行われております。
日程の最後に寄った「関刃物センター」で、日本の刃物造りの職人が少なくなっているという話を聞きました。刃物だけではなく世界に誇れる日本の「もの造り」の伝統を効率や商売・雇用の面からではなく、日本の文化として社会が考え振興維持していきたいものです。また一方、我が家には約30年も使っているドイツ製の掃除機があり、今までに部品を交換しながら使ってきました。先日モーターのブラシが摩耗して動かなくなり、ついにこれで新しいものに買い替えなければならないかと思ったのですが、モーターのブラシが部品として在庫が有りブラシの交換だけでまた蘇りました。基本設計がしっかりしているものは、部品を交換して長い期間にわたって稼働し、新製品が次々発売されますがそれらのものと比較しても性能的に見劣りしないのはさすがだと思っております。日本製は最先端のものや優秀なものがたくさんありますが、長期間にわたって性能を維持し、長く生産されるものが少ないのが残念に思われます。
目先の事だけではなく、ヴィジョンを持って物事を考え判断したいものだと自戒を込めて思います。
平成24年7月1日
宝仙寺住職 富田道生
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