御府内八十八ヶ所第十二番札所、関東三十六不動霊場第十五番札所

宝仙寺について

2011年07月:ご挨拶

2011年07月01日

   今年は梅雨入りが例年より早く五月の一番良い季節が短かったような気がします。
七月になるとお施餓鬼、お盆の時期になります。一年の半分が早くも過ぎてしまいました。
今年の夏の暑さはいかがでしょうか。節電でどうなるのか心配されます。
   さて、先日新聞に内舘牧子さんの"「がんばる」は悪くない"という文章が載っていました。
「がんばる」という言葉は何気なく使っていますが、闘病中の方に「がんばってください」とか、あるいは新聞にも出ていましたが被災した方が「がんばってください」と言うのはやめて欲しいということが書いてありました。その方たちは十分それぞれがんばっているのです。それ以上何をがんばればよいのでしょうか?ということです。
私も以前このようなことを聞いたことがあり、「がんばる」という言葉を注意して使うようにしていました。
内舘さんはその中で、ソプラノ歌手の鈴木慶江さんが「がんばろう は 顔晴ろう、つまり笑顔になること」だと語っていたという話を書いていらっしゃいました。
「晴る」は「晴れがましいこと」で、生命の再生を告げる「春」も同根ではないかということです。
「がんばる」は「顔晴る」で、「芽が出る」再生の春かと考えると、「がんばる」は棄てたものではないのではないか。というものでした。
早く再生して「顔晴る」が増えることを期待したいと思います。
   今回の震災で、被災したにもかかわらず整然と並んで水や食べ物を受け取る人々、略奪されない商店、大げさに泣き叫ぶ姿は見られない等々、世界では日本人を評価する記事が見られる一方、政治(家)は三流だと言われています。
   世界が日本を注目しています。三流は放っておいて、一流の国民で何とかするしかないのでしょうか?

平成23年7月1日
明王山宝仙寺 住職 富田道生