2008年06月20日
四月八日のお花祭りはお釈迦様の、六月十五日は弘法大師・六月十七日は興教大師様のそれぞれお生まれになった日です。四月の桜の季節から若葉がだんだん濃くなって行く時期に当たります。弘法大師のお生まれになった六月十五日を「青葉まつり」とも呼んでいます。
先日、宝仙寺の旅行会で檀信徒の方々と、高野山・根来寺などにお詣りに行ってまいりました。
高野山は生憎の雨になってしまいましたが、奥の院まで無事お詣りすることが出来ました。四国八十八か所霊場巡りの結願の方も含め、たくさんの方々が高野山に上っていらっしゃるのを見かけました。交通の発達により日帰りの人が増えたそうですが、高野山の参拝者人数は昔と変わらないそうです。あらためてお大師様の人気のすごさを感じました。
今枝由郎 著 「ブータンに魅せられて」の中に、(ご存じの通りブータンは仏教国です) ブータンで仏像等の切手を発行しようとしたところ、仏像等を切手にするとスタンプが仏像の顔に押されるのは如何なものかということが議論になったという話が載っておりました。また、仏像についても誰が作った有名な像だという考えではなく、信仰の対象としての仏像という考えが浸透していることが書かれておりました。美術品としての価値判断とは違った本来の信仰としての価値判断は仏教徒として大切なことだと感銘いたします。
とかく世間では美術品としての価値を考えますが、日本においても各寺院の本尊様は檀信徒にとって大切な本尊様で、美術的な価値判断は後世の人間が判断したにすぎないことだと思います。
美術館等で盛んに何々寺展が行われており、国宝などの仏像が“展示”されています。いずれも美術品としての価値は高いと思いますが、仏像はそれぞれのお堂に安置されている姿に意義があるので、“見に行くのではなく”、そのお寺に是非お詣りにいっていただきたいと思います。
平成20年6月吉日
明王山宝仙寺 住職 富田道生
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