2007年01月
寒中お見舞い申し上げます。
今年の元旦はそれほど寒くはなく過ごしやすい日和でしたが、いかがお過ごしでしたでしょうか。
新しい年を迎え、今年の目標を立てていらっしゃる事と存じます。今年一年が良い年でありますようご祈念申し上げます。
昨年秋、チベットのダライ・ラマ14世の講演を聞く機会に恵まれました。ご存知の通り、ダライ・ラマはチベット仏教の最高指導者ですが、チベットは現在中華人民共和国の一地区となってしまった為インドに亡命し、そこを拠点にして活動しております。
講演は『慈悲』(愛情)についてでした。その中で印象に残ったのは、医者や看護師が親切に患者に接すると偽の薬でも効果がある、また母親の愛情を幼児の頃たっぷり受けた子供は脳の発達が良いというデータがあるという話でした。気持ちをこめて愛情をもって接することが、何に対してもいかに大切かという話です。
宝仙学園中学・高等学校には「母の愛は仏の慈悲なり」という創立者の教育信条が有ります。母親の愛情は理屈ではなく自然に出てくる、損得(打算)を超えているものです。私の子供のころは、食べるもの・着るものなど母親の手作りのものがたくさんあった気がします。そして母親はそれらを作るとき一生懸命我が子のことを思い、作ってくれていたことと思います。このような親子関係からは、昨今のような親子間の悲惨な問題は出てこないと思いますが、いかがでしょうか。
さて、今年一年、昨年より世の中が良くなり、明るい話題がたくさんありますよう祈念して一年をスタートしたいと存じます。
平成19年1月吉日
明王山宝仙寺 住職 富田道生
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